子供と一緒に離島へ留学、理想の生活を実現!

医師として、母としての決断

子供と一緒に離島へ留学、理想の生活を実現!

総合内科医広田 百合子(仮名)さんの場合

子供と一緒に離島へ留学、理想の生活を実現!

広田 百合子(仮名)さん
2007年に公立大学医学部を卒業後、出身大学の医局に入り、大学病院や関連病院で約10年間勤務。この間に結婚し、出産。産休、育休の後に復職するが、間もなく離婚。その後、正式に医局から離れた。小学生の子供を持つシングルマザー。30代。

 広田百合子(仮名)さんは小学生の子供を持つ総合内科医。出産後、産休・育休を終えて職場復帰するも、仕事と育児の両立に悩んだ。離婚を機に医局を離れた彼女は、離島という新天地で病院勤務の仕事を見付けた。のびのびと子育てができ、かつ医師として腕を磨ける場所を求めた結果、行き着いた離島転職という広田さんの体験談は、子育て中の女性医師の参考になるだろう。


—— 転職の理由を教えてください。

 子供を逞しく育てたい。自分自身も医師として成長したい。そのために環境を変えたい!と思ったことです。

 結婚・出産を経て、出身大学の関連病院で勤務をしておりました。子供が乳幼児の頃は週2~3日しか働くことができず、同年代の医師とは経験の差が開き始め、それに焦ってフルで勤務をすると、どうしても子供を放置する時間が増えてしまいます。

 将来への不安を抱えたまま忙しい勤務をこなし、帰宅して家事に追われる。すり減っていく私と、習い事以外の外出もせず、家にこもってネットゲームばかりの子供。離婚したこともあり、親として、そして一医師として、このままでよいのか?と悩むようになりました。

 同僚の医師に相談したところ「離島留学」(※過疎や少子化の問題を抱える離島等で、全国から小・中学生や高校生を募集し、留学生として受け入れる制度)のことを聞き、評判が良いことを知りました。

 色々と調べていたところ、全国各地にたくさんの募集がありました。また「医師」の募集をしている離島があることもわかりました。

 離島留学はほとんどの場合「子供のみの寮生活」での参加となるそうです。保護者の職種によっては仕方がないことです。でも、私の職種であれば募集があって、「親子」一緒に参加できる制度もある!

 母校の医局は女性医師へのサポート体制を整えてあって、いろいろと助けていただきました。しかし、年を重ねる毎に「居心地の悪さ」を感じるようになっていました。よし、ここは思い切っちゃえ!と、子供にも相談し、転職活動を始めました。

—— 転職活動はどのようにされたのですか。

 ネットで検索したところ、離島の求人が最も充実していたのがメディカルキャストでした。メディカルキャストの担当者とお会いし、上記の理由を話したところ、「あぁ、それなら」とスラスラ候補地と求人を提案してくれ、驚きました。同様の事例があったみたいで、慣れておられましたね。

 こちらの家族事情をよく考えてくれて、空港が近く、歴史・自然・食などの魅力が詰まった離島の情報や自治体の情報等、勤務しながらでは到底調べられないことまで細かく提案してくれました。何社か登録しましたが、情報の量・質が桁違いでした。

 担当者は自治体との折衝も行ってくれて「あっという間に」決まった印象です。医療機関との交渉も一任しましたが、無理のない現実的な、それでいて医療機関にもメリットのある勤務体系ができあがっていました。

—— 転職にあたって設定した条件は?

 できる範囲でバリバリと仕事はしたい、ただオンオフの区別ははっきりと、という条件です。そして期間は子供の「留学期間中のみ」ということ。

 離島では医療機関が少ないので、全ての患者さんが集中するのでは?という不安がありました。できるものであればなんでも!とは思っているのですが、専門性が高いわけでもなく、地域医療の経験にも乏しい…。

 そして子供のこともあり、24時間365日の勤務は不可能です。少しずつ現場で経験を積み、地域医療を学びたい。地域の要望にはお応えしたいが、無理はできない。

 メディカルキャストの担当者にそう話したところ、離島にある小規模病院を紹介されました。TVドラマの影響で、離島といえば「診療所」のイメージがあった私には意外な提案でしたが、希望条件にはピッタリでした。

 病院であれば地域医療のエキスパートである常勤医師が複数存在し、診療で困った際はすぐに相談できますし、当直やオンコールも免除いただいたのは「仲間」あってのことです。お互いの負担軽減になるとのことで、勤務医の方にも歓迎していただいています。

 とは言え、少ない医師数です。経験年数の浅い私にも「島のお医者さん」としての働きを求められます。専門以外の症例にも携わることは当たり前!大学ではあり得ないこの状況、今も勉強の日々が続いていますが「やりがい」を強く感じていますし、自分自身の成長も感じています。

 総合診療医として、将来のための貴重なスキルになっているとも思います。

—— 転職してみていかがですか?

 期間を限定するんじゃなかったな(笑)というくらい、気に入っています。引っ越しの経験すらなかったので、都会育ちの子供が馴染むのかを心配していたのですが、島ならではの行事、自然体験や社会体験を楽しんでいるようで、私よりも友達の数は多いです。

 豊かな自然と多様な世代の人々に囲まれて伸び伸びと育っており、積極性も見られるようになりました。このまま感受性やコミュニケーション力を更に育ててくれれば…と期待しています。

 学力に関しては、少し下がるくらいは仕方がないと思っていたのですが、少人数教育ならではの細やかなフォローをいただいたおかげで、今のところ成績をキープできています。学力は勿論大事ですが、人の繋がりの大切さを身につけていることが親として嬉しい限りです。

 制度がしっかりしていて、自治体の協力も厚いので、私のような全くゆかりのない人間の移住に対しても、親身に受け入れてくれる方が多いです。私のほかにも2拠点で仕事をされる方もいますし、完全にこちらへ拠点を移して仕事をされる方もいます。

 患者さんが釣れたばかりの魚を届けてくださったり、逆にお返しをしたり。そういうお付き合いは都心部では難しい、豊かなコミュニケーションだと思っています。キャンプや野外活動にも無縁だった私も、透明度が高い南の海にハマってしまい、週末は子供以上に島の自然を満喫しています(笑)。

 未だ慣れない仕事が多く、決してノンビリした内容ではない(大学時代よりはゆとりがあります)ですが、地域の皆様に囲まれて仕事と子育てを楽しんでいます。親も子も心身ともに健康になり、家族の絆をさらに深めていると感じます。

 医療も家庭も両立できる今の環境であれば、豊かな人生を送ることができると思うようになりました。子供の進学に合わせ、島を離れることは決まっていますが、子育てが終わったら「この島に戻ってくるのも良いな」と思っています。都内で生まれ育った私に、新しいふるさとができました。

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