1年で2回転職、年収1200万アップ

管理医師となりマネジメントの楽しさに目覚める

1年で2回転職、年収1200万アップ

外科医石川 とおる(仮名)さんの場合

1年で2回転職、年収1200万アップ

石川 とおる(仮名)さん
1985年に関西の某大学を卒業後、出身大学の医局へ。外科医として約18年間県内外の関連病院に勤務した後、医局を辞め、大手美容外科クリニックに転職。11年間勤務した後、将来を見据えて2度目の転職をする。現在は透析クリニックの管理医師として勤務。50代、家族は妻と一男一女。

 医局人事を離れての「転職」は、多くの医師にとって未知の世界。「船を離れたら溺れ死ぬだけだ」――医局を離れる前はそう思っていた。しかし、いざ船を離れてみると時に思いがけないことが起こり世界が広がる。医局に所属するごく普通の外科医だった石川とおる(仮名)さんは、1年間でなんと2回も転職することに。だが、その間に年収は約1200万円増えて、2500万円になっていた…。不安を抱えながらも転職を決意した石川さんはどのようにして舵を切っていったのか。


—— 転職理由を教えていただけますか。

 私はこれまでに2回、転職を経験しています。1回目は出身大学の医局から地方都市の200床程度の病院に、2回目はその病院から、同じく地方都市の透析クリニックへ移っています。

 1度目の転職、医局から地方都市のいわゆるケアミックス型の病院へと転じた理由は、妻の言葉がきっかけでした。「もうこれ以上、ついていくのは嫌だ」と、いきなり話を切り出されました。長くて3年、短いときには半年ぐらいであちこちに移る生活が続いたわけですから妻の言い分ももっともです。
 妻の言葉は転職を考えるきっかけにはなりましたが、私は私で自分の将来を考えていた時期でした。40歳を過ぎると、医局の中である程度落ち着きどころが見えてきます。関連病院の部長クラスに落ち着いて、外科医として活躍する道もありますが、その道はそう簡単ではありません。私より、医局に貢献した人にいいポストが回るのは、ある程度やむを得ません。そこで、あまりにあちこち異動させられるので、教授に掛け合いましたが、「すべての人が満足する人事ができるわけではない。それぐらい君にも分るだろう」と言われました。結局、山間部の寒い地域の中核病院から逃れられないのが自分の医局でのポジションであり、それが自分の実力だとその面接の時に理解したのです。それで、医局を離れて自力で道を開こうと考えました。

—— 転職までの経緯を教えてください。

 1回目の転職は、求人募集広告を見てその病院に直接、履歴書を送り面接を受けました。その病院は、院長が外科医で、手術にこだわっていたのが決め手でした。そういう院長の下なら手術ができると思ったのです。それに、私は外科のトップとして迎えられると聞かされていましたので、私が外科を立て直せばよいと思っていました。ところが、私が入職する2ヵ月前に、もう一人、外科医が入職しており、外科のトップは彼で、私はナンバー2だったのです。その医師が外科医として優れていればまだ我慢できたのですが、手術レベルの低さに驚きました。
 さらに、私が入職して1ヵ月目に、透析室担当の内科医が2人辞めてしまい、透析患者80人を誰も診られない状態になり、大学で慢性腎不全患者の外科手術・術後管理での血液透析の経験がある私にお鉢が回ってきました。透析管理、手術、麻酔、外来診療、当直…、とにかく忙しく働きました。医局時代に1300万円程度だった年収は、1700万円程度になっていましたが、あまりのコストパフォーマンスの悪さに、「こりゃやってられん」と思い、再転職を考えました。勤めたのは約1年間です。

 2回目の転職では、入職してから最初に聞いていた話と違うといった食い違いがないように、病院のリサーチから仕事内容、勤務条件や年俸の交渉まで医師側の要望にこたえて転職先を見つけてくれるエージェントを通して転職活動をしようと考えました。そこで、医師向けの職業紹介会社であるメディカルキャストに登録して、転職活動を始めました。
 再転職活動では、心機一転、外科にこだわらず、「透析」「シャント手術」「腎不全外科」に携われる病院をターゲットに求人を探してもらいました。メディカルキャストの担当者は、こちらが「こんな働き方がしたいので、こういう病院を探してほしい」というと、私の意向を十分に聞いてくれ、紹介する病院をいくつか候補に挙げてくれました。その中に、透析クリニックの管理医師が辞めるので募集しているという求人がありました。
 メディカルキャストの担当者には医局時代の話や前の病院での話などもしていましたから、その担当者は私に「先生はマネジメント能力にも優れているように思いますから、それを伸ばす道を考えられてはどうですか」と言いました。それを真に受けたわけではありませんが、新しい場所で管理医師として、自分がどこまでできるかを試すチャンスと考え、飛び込みました。2007年1月から現在のクリニックに管理医師として入職しました。

—— 転職してみていかがですか?

 ここでは、私は管理医師ですから自分の好きなようにやれる点がこれまでとは違います。看護師、臨床工学士、栄養士たちも目標を持って動いてくれるようになってきましたし、チームワークも生まれてきました。また、近隣病院と連携して患者さんを増やすなど、経営改善にも取り組んでいます。まだまだ、至らない点はたくさんありますが、マネジメントすることで組織が変わっていくのは楽しいですね。余計なストレスもないし、100%満足とは言えないけれど、やっと落ち着く場所が見つかった気がしています。今は、組織を動かすことにやりがいを感じています。今の収入は年収2500万円になり、この1年で1200万円近く高くなったので、条件面では成功といえるでしょう。何より、自分が打ち込めるものが見つかったという点には満足しています。結果論ですが、環境の中での自分ができること、生かせる能力を知ることで、やっと落ち着ける場所が見えてきたように思います。

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