医師転職体験談 Vol.3

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自分のやりたいようにやる方がいい

夢だった地元での開業を見据え、転職

夢だった地元での開業を見据え、転職

耳鼻咽喉科医木村 雄介(仮名)さんの場合

 関連病院を転々とする生活に疑問を感じ、医局を辞め、かねて希望していた地元での開業に向け、診療所運営を学べるクリニックへ転職。「開業のノウハウを学べたことも有益な転職だった」と話す。


—— 転職歴を教えてください。

 大学卒業後、出身大学の医局へ入局し、約10年間勤務しました。その後、医局を辞めて、今のクリニックに入りました。

—— 転職の経緯を教えてください。

 医師になって10年近く経ったときに、ふと疑問がわいたんです。「このまま関連病院を転々としたとして、この先どうなるのだろう…」と。このまま医局にいてもただ消耗するだけで、自分自身の成長につながらないと思い、思い切って医局を辞めることにしました。

 ちょうどそのころ第一子が生まれたこともあって、今後の自分の人生プランを改めて考えてみたんです。そして、かねてから思い描いていた地元での開業という夢に向けて新たなスタートを切るいい機会だと思って、まずはそのノウハウを習得できるような施設に転職できればと考えました。

 そうと決めたら一刻も早く話そうと、教授のアポを取り、直談判しました。初めから教授に話を持っていったのは、医局長に言ったところで、らちが明かないと思ったからです。最終的な決定権は教授にあるし、中途半端に伝わってうわさになる方がよほど困りますから。ただ、ちょうど医局を辞めたいと申し出たのが年度末だったこともあり、教授からは強く慰留されました。「来年度の人事は既に決まっているし、今ごろ急に言われても困る。とにかく1年は待て」と言われ、結果的に1年間待って辞めました。強行すれば辞められたのかもしれませんが、できるだけ円満に事を進めたいと思っていたので、教授に従いました。局内での雰囲気は「去る者は追わず」という感じでしたね。

—— 具体的にどのような転職活動をされたのですか。

 医師紹介会社のメディカルキャストを通して転職活動をしました。医局を辞めるまでの1年間を使い、早めに余裕をもって転職活動を行いました。メディカルキャストの担当者には「クリニックの単なる勤務医ではなく、運営している院長先生の傍で、医療的なスキルを学ぶだけではなく、診療所運営を肌で感じ学べるところ」という希望を伝え、求人をいくつか紹介してもらい、その中の一つで精力的にクリニック展開をされている院長を紹介してもらいました。先方の院長も僕のことを気に入ってくれたようで、その後は相思相愛といった感じでとんとん拍子に話が進みました。

 こうして転職先は無事に見つかり、現在は、そのクリニックに”雇われ院長”として常勤勤務しています。つい最近開業したばかりなのですが、僕は開業の準備段階から立ち会うことができました。将来自分の医院を開きたいと思っていますので、今回、貴重な経験をさせてもらったと思っています。現在の年収にも特に不満はありません。

—— 転職を希望している方に何かアドバイスはありますか?

 若いうちは医局の指示通りに動いても、それぞれの病院で色々なことを学ぶのは大事だと思います。しかし、その先、医師としてどう生きていくかがとても大事だと僕自身は思っています。医局は医師1人ひとりのキャリアプランや生活設計まで面倒を見てくれませんからね。ものすごく優秀な人なら話は別かもしれませんが、関連病院をただ回っているだけでは生活は安定しないし、医局の勢力を示すコマとしてある意味使われるだけです。

 だから、思いきって医局を飛び出すのも手ではないでしょうか。実際に転職してみると、不安なこともありましたが、僕自身は医局を出て良かったと思っています。今はやりたいことができていますしね。医局にいるときは、どこかでやらされ感がありましたけど、今は自分の意思で主体的に動いているという実感があります。自分の人生なのですから、自分のやりたいようにやった方がいいと思いますよ。