希望転職先を決めてから、紹介会社を選定

2つの方法で転職を進める

希望転職先を決めてから、紹介会社を選定

消化器内科医矢田 幸二(仮名)さんの場合

希望転職先を決めてから、紹介会社を選定

矢田 幸二(仮名)さん
1985年に関東の某大学を卒業。これまでに、数カ所の病院を医局経由で渡り歩いてきた。医局人事では希望する条件の病院がなく、昨年末に医局外の転職に挑戦。今年1月から関東の某クリニックで消化器内科医として勤務。

 今年1月に転職した消化器内科医の話。外科医として勤務していた病院で、内科の仕事もやらされるようになり転職を決意。医師紹介会社に求める条件を提示して病院を探してもらう方法だけでなく、「行きたい病院」を決めてから紹介会社を選ぶという方法もとったという。


—— なぜ、転職をされたのでしょうか。

 医局人事で働いていた前の病院では、外科医だったのですが、ある時から他科の仕事が回ってくるようになり、それに嫌気がさしたのです。当初8人の内科医がいたのですが、転職や開業などで次々に辞めていって、結局は4人という状態になりました。その間、外科医の人数は変わらなかったのですが、内科医の補充はありませんでした。

 内科医が半分になってしまったことで、その分の仕事を並行するように指示が入り、最終的には療養病棟の内科の仕事と、本来の外科の仕事を両方やらなくてはなりませんでした。そうなると、その病院の外科にいる意義がないと感じるようになり、転職を決意しました。

 内科医がきちんと補充されていれば、このタイミングでの転職はなかったかも知れません。ただ、その病院が告知していた求人情報を見ると、「この条件では、誰も医師は来ないな…」という厳しいレベル。休日の取得条件や給与面が厳しく、これを見て、その病院で仕事を続けることをあきらめました。現に、いまだに来ていないようです。

 もう一つ、自分の勤務状況を改善したかったことも理由です。前の病院は自宅からかなり遠く、通勤に1時間以上もかかる場所にありました。また、給与や休みの待遇が、他の病院に比べて悪かったのです。外科医として働いている間は、チームとして動いていましたから、ある程度の我慢も必要かと思いました。でも、そこから身を引くのであれば、家の近くで待遇の良いところで仕事をしたいと思うようになりました。

—— 医局人事や開業という選択肢は?

 医局人事で行く病院の状況はだいたい把握していましたが、行きたい病院はありませんでした。また、開業もほとんど考えませんでした。労務管理とか金銭管理とか、余計なことに気を回したくなかったのと、休みをしっかり取りたかったからです。開業してしまうと、経営が順調であれば長期の休みが取れる医師もいますが、ごく少数ですよね。1週間くらい休暇を取れるような環境で働きたいと思っていました。

—— 転職までの経緯を教えてください

 今年の1月に今の病院に移りました。前の病院では外科でしたが、ここでは消化器科の配属となりました。転職を決意したのは2007年の4月です。決めたその場で辞めてしまってもよかったのですが、やり残した仕事があったことや、辞めた後どうするのかという問題がありました。というのも、前の病院には4年ほどいましたが、辞めて仕事がない状態でしばらくやっていける状況ではなく、辞めたらすぐ翌日から仕事をしないとなりませんでした。

—— 以前は外科だったのに、消化器内科なのは?

 手術は嫌いではないのですが、以前ほど燃えなくなってしまいました。「難しい手術を数多くやろう」という意識ではなくなってしまったのです。体力的にもきついですし、自分の意識が後ろ向きになってきていたので、外科に関しては辞め時だと。これまで勤務していた病院で、内科的な管理とかもやっていたこともあったので、自分としては違和感はありません。

—— 転職活動にはどんな手段を利用したのですか

 ネットの人材紹介サイトです。いくつか登録していました。あとは、自宅近くの病院の名前などは分かりましたので、自分で検索して人材情報が掲載されているかどうかを確認していました。実は、これはだいぶ前からやっていましたね。08年の1月までには新しい病院で働きたいと強く思っていたので、07年11月までにはある程度めどがつくようにしようと。医局の人事がだいたい12月の初めころに希望を出すことになるので、退局することを踏まえると、それまでに結論を出せる状況にしておく必要がありました。そしてそれは、ネットを利用することで可能だと思いました。

 実際の転職活動ですが、2つの方法で進めていました。1つは、自分の情報を人材紹介サイトに登録して、医師紹介会社の方が間に入っての転職活動。恐らく、医局外転職をされる多くの医師がとる、一番オーソドックスな方法だと思います。もう1つは、自分で見付けた求人情報を元に、その情報を取り扱う医師紹介会社を選ぶ方法です。

 転職したい病院の条件に、自宅から近いというのがあったのですが、先ほども話した通り、結構前から近場の求人情報は自分で探していました。その中から1つの病院を選んだ後、その病院の求人情報を掲載する紹介サイトを逆にたどっていきました。すると、2~3の情報サイトで掲載していることが分かりました。

—— 同じ内容で掲載されていたのですか?

 いいえ、雇用条件の掲載内容が異なっていました。同じ病院の求人情報なのに、医師紹介会社によって異なっているのは不思議ですね。私は、その中から一番良い条件が書いてあるメディカルキャストに話を持ちかけました。コンサルタントの方には「この病院だけの交渉をお願いしたい」と伝えるところから始まりましたね。つまり、“行きたいところありき”であると。結局、07年10月末ごろに、2つの方法で進めた異なる2つの病院で、共に最終面接まで進みました。

—— 年収はどうなりましたか?

 前の病院の時の年収が1400万円でしたが、今の病院では1700万円になりました。病院側からの最初の条件提示では1600万円だったのですが、コンサルタントの方が頑張ってくださったおかげで、100万円ほど上がりました。そして懸案だった休日の取得も、前の病院では休日が月に2~3日だったのが、今では土日が確実に休めます。帰って寝るだけで終わってしまっていた休日が、今では非常に有意義に過ごせています。

 もうひとつの病院は年収が1600万円ほどで、条件的な差はほとんどありませんでした。ただ、決め手になったのは、どちらが自分を大事にしてくれるかということと、自分のやりたい仕事ができるかということです。それをよく考えた結果、今の病院にしました。現状には非常に満足しています。

—— 紹介サイトや医師紹介会社に満足していますか?

 自分で直接交渉することに比べたら、良かったと思います。コンサルタントの方とのやり取りにも満足しています。進ちょく状況を知らせるメールがこまめに届いて、非常に安心になりました。

 紹介サイトをいくつも見ていると、まともな所かどうかはだいたい分かるような気がしてきました。全く人材情報の更新をしていないところや、サイトが見づらいところは、その時点で見るのをやめました。また、個人情報の登録のしやすさも、そのサイトを判断する上で重要だと思います。ある紹介サイトでは、いきなりエントリーシートが表示され、すべて書いて送ってくれと求められるのですが、医師としての仕事をしながらの転職活動で、最初からそこまで要求されても無理です。

—— 医師紹介会社の仲介は転職活動で必要でしょうか?

 すべての段階でとは言いませんが、金銭的な条件交渉の時には紹介会社の存在は必要でしょう。そういう話し合いに、慣れていない医師がほとんどでしょうから。それに、紹介会社が間に入ったからと言って、条件が悪い方向になってしまうことはないと思います。紹介会社もそれが仕事ですし。しかし、自分の業績を上げるために、どこでも良いから押し込んでしまおうというところならば、すぐに変えた方が良いと思います。

 今回の場合、私についてくれたメディカルキャストの担当者は、うまくやってくれたなと思っています。

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